「一度に多くのことをやってはいけない」、「ひとつのことに集中して終わらせなさい」、「集中力が大事である」など。家族や学校の先生などから、聞かされたことが、あなたもあると思います。同時並行で何かをやると、どれも中途半端に終わる。この考えは、一般的に根強くあるものです。しかし、実際は違います。人間の脳は、複数のことを同時並行してこなしていく力があるのです。多くの人が間違った考え、つまり偏見を持っているために、脳の力をうまく使えずにいます。たとえばバスケットボールやサッカーの試合で、特定の選手をマークするとします。その際、マークする選手だけの動きを見ていればいいかといえば、そんなことはありません。同時に全体の攻防の流れを捉えてこそ、勝負に勝つことができます。つまり「同時並行して、いくつものことをやりこなせなければ、いい結果は出せない」のです。誰でも練習すれば、脳の使い方も変わっていくのです。

川村明宏